2010年07月09日

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」





EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.


もうね、正直、震えたわ。
余計なうんちくなんか言わない。
ただ、一言で感想を言わせてくれ。

」の2.5倍ぐらい凄ぇええええええええええええええええええええ!


いやぁ、基本的に、1度観たら大体の映画はそれで満足しちゃう性格なんだけど、もう1度(出来れば映画館で)観たいと思わせてくれたのは、ここ数年だと「ダークナイト」以来だわ。
なんなら、タキシードで正装しながら観てもいいぐらいだ、やらないけど(w。

劇場での興行収入はもちろん、発売初日にDVDが12.4万枚、Blu-rayが19.5万枚を売上げ、最終的には、あのマイコーの「THIS IS IT」の累計売上枚数を、わずか1週間のみで35.1万枚を売り上げることで超え、史上1位の記録を作ったのにも納得の出来。
まさに歴史的な作品である。
たしかに、ジブリのブランドはまだ健在だし、パヤヲや押井が事実上の隠居状態とはいえ、今敏(「PERFECT BLUE」、「パプリカ」)、原恵一(「クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」、「河童のクゥと夏休み」)、細田守(「時をかける少女」、「サマーウォーズ」)という新たな才能が見事に後を継いでいる。
だが、そんな彼らはもちろん、当のパヤヲですら、全盛期のナウシカラピュタ級の大作は作れていないのが現状だ。
そんな中、唯一、ラピュタ並のスケールに対抗できる大作がこの新劇場版エヴァなのだ。
まぁ、そもそもナウシカで巨人兵のアニメーションを担当していた人が総監督をしてるんだから、そういう意味ではパヤオの弟子とも言えるのだが(w。

たしかに、原作のテレビ・シリーズとその完結編である旧劇場版を観て、あらかじめ"お約束"のようなもをわかっておかないと、さっぱり話についていけないという致命的な弱点があるこの新劇場版シリーズなのだが、それでも、特にこの「破」は"よくわかんねーけど、なんか凄ぇ!"と言わせてくれるだけの濃密さであったことは保証しよう。
たとえ、旧作を知っていても、旧作と同じ流れを継承しながらも、まったく違う方向に展開する今作を見て、まさに「破」だな、と思い知らされる。
特に、あのラストは、劇場で売られているパンフレットが、ナイフを使わないと開けられないような封印をされていたらしいが、それも納得できるぐらい旧作を知っているファンには(ほど)燃えるシーンだろう。
だから、まだの方は、是非ともテレビ・シリーズと旧劇場版を観て、お約束だけでも覚えてから、新劇場版第1作目である「序」、そして今作「破」を観ていただきたい。
忙しかったら、せめて「序」だけでも観て、「破」を観てもらいたい。

これ、これだけ濃密なのに、事実上インディーズというか、大手配給会社とかを通さずに細々と、少ない映画館で公開してたんだってね。
それでも、国内興行ランキングで見事に2週連続の1位を取ってしまったのは伊達じゃない。
音楽だけでも、別々の場所で録音したフル・オーケストラ2回分を、それぞれ同時に鳴らすという贅沢な使い方をしてるぐらいだ(予告編で流れてるやつなんか、3回分を同時に鳴らしてる)

ということで、ここから先はネタバレありで語らせてもらうけど、しかし、まぁ、やってくれたなぁ。
どーすんのよ、こんなにハードルあげちゃって?
次の完結編、これ以上のもんがほんとに作れるの(w??
もうね、しょっぱなから新キャラ&新エヴァVS新使徒戦でハートをがっちりつかまれましたよ、ええ。
いきなり英語で始まるとは思ってなかったから驚いた。
どこぞのハリウッド映画かと(w。
それで、いきなり新キャラと新エヴァ、更に早速、加持さんまで登場で、めちゃめちゃテンションあがりましたよ。
まぁ、5号機の出番これでお終いかよ!?っていうあの出オチには笑わせていただきましたが(w。
ついでに言うと、せっかくの新使途だったのに、見事にアスカのかませ犬として瞬殺されてた使徒も、もっと見たかった(´∀`*)。

で、その後は、基本的には旧作とだいたい同じ流れ。
でもね、みんなキャラ変わってたね(w。
シンジ君が多少頼れる男になってたのは「序」でわかっていたけど、まさかレイとアスカがあんなに女の子らしくなっているとは思わなかった。
何気にゲンドウさんも、人間味が増えてたね。
いやぁ、しかし、なんといっても、レイですよ。
まさか、レイが赤面したり、教室に入ってきて「おはよう。」なんて言ったり、あげくにゲンドウさんとシンジ君の為に包丁で指を切りながら手料理作って食事会を開こうとするなんて日がくるとは・・・。
後輩の長門に対抗する為に、パワーアップされたとしか思えん進化具合
さらにアスカも、すっかり素直でツンデレな子になっちゃって(w。
レイにヤキモチやいて、ほぼ下着エプロンで包丁で指を切りながら料理してるとことか、レイ派だけどかわいいと思ったぞ。
てか、まさか、アスカでシンジ君のお風呂でペンペンにビックリネタをやってくれるとはwww。
あのストローの使い方はまさに芸術
でも、久々にみやむーの「あんたバカァ?」が聞けて嬉しかったなぁ。

マリは、とにかく昨今のアニヲタの妄想を集めて作られたかのようなテンプレっぽいキャラ。
ミステリアスだけど、ノリノリで、しかも眼鏡っ子という組み合わせ。
っていうか、なんなんだ、あのシンジ君との初遭遇シーンは?
ラピュタのオマージュとしか思えんぞ(w。
その後のベッタベタな眼鏡っ子ネタには、ここまでくると清々しさすら覚えるテンプレっぷり。
てか、キャラ設定以上に、中のまーやがノリノリで笑える(w。

で、相変わらず初見完全無視で、自分がわかっているから、こっちの都合はおかまいなしで話を進めるアンノの悪い脚本のせいで、イベントだけが羅列されていくシナリオは相変わらず。
ただ、ダイジェスト感がありありだった前作に比べると、今回は、そのへんはもうお約束だからわかってるでしょ?ってな感じであえて排除して、その分新しい面の心理描写を重点的に描いてるようにも見えた。
それがレイやアスカたちの旧作にはなかったかわいらしさであったり、ちょっと人間味が増えたゲンドウさんであったり、露骨なまでの3号機実験前のアスカの死亡フラグ建てだった。

途中まで、シリアスは当然として、前作以上に増やしたギャクなども交えて進めていた今作の雰囲気が決定的に変わったのが、このシーン。
まさか、あの3号機実験のパイロットがトウジじゃなくて、アスカになるとは・・・。
もうね、レイ派だけど、正直、アスカ派にはトラウマになるんだろうなぁって思ったよ、あそこは。
もうね、わかってはいるけど、それでも、「おいおい、これ死亡フラグじゃんか。」、「頼むよ、アスカ殺さないでくれよ。」ってつぶやきながら観てしまったもん。
旧作の"鳥葬"シーンもアレだったが、あれはまだエントリープラグが直接破壊されるような描写がなかったから、まだ希望が持てた。
でも、今回は、はっきりと噛み砕かれてたからね。
しかも、漫画版だとトウジは死んでたしね。
だから、さすがにこの展開は「破」すぎるだろ!って唖然としながら観てたよ。
まぁ、その後の展開や、次回予告見る限り、旧作と同じように奇跡的に生き残ったみたいで安心したけどね(w。

でも、それ以上に、あのシーンであの挿入歌(「今日の日はさようなら」)の使い方はないわ。
いや、まぁ、凄惨なシーンなのに、思わず噴出しちゃったから、清涼剤としては優秀なんだけどさ(w。
でも、あざとすぎるんだよ。
はっきり言ってあれはセンスない。
やっぱり、あそこはそれこそ「甘き死よ、来たれ」のような曲調のをもってくるか、せめてちゃんとした外人ヴォーカルに英訳で歌わせるべきだったね。
せめて、ヴォーカルが林原めぐみじゃなかったらまだよかったんだけど、正直、閣下の歌では、あのシーンのBGMになりえるような力はないんだよね。

まぁ、それでもだ、やっぱりあのラストは衝撃的だったね。
マリがアスカの代わりに2号機を起動し、暴走モードを発動させてもかなわない使徒。
更に、レイの自爆攻撃も効かず、それどころかレイを零号機ごと捕食するというトンデモ使途を見て、もう2度とエヴァにのらないと誓ったシンジ君が初号機の元へ走っていくシーンは、「オトナ帝国の逆襲」のラストで未来を守る為に走るしんのすけみたいで、思わず「がんばれー!」って言いたくなっちゃったね(w。
そして、覚醒する初号機。
でも、旧作とは違って、レイを救いたいが為に覚醒するってのがポイント!
さらには、天使の輪が頭上に浮かんで、メルトダウン状態のゴジラみたいに真っ赤に光る初号機。
あの目からビームとか完全に巨人兵だったな(w。
そして、使徒のATフィールドをぶち破り、レイを救出する為に自分を犠牲にして手を伸ばすシンジ君。
いつからこんなに熱血な男になったんだ、君は!??
そして、ついにレイと手を取り合った瞬間なんて、もう、ラピュタ並の興奮ですよ。
そして、救出したレイと融合して、人間を超えネ申の領域へと覚醒する初号機。
そんなクライマックスで流れる「翼をください」、ってここで突然この歌(w!?
いや、まぁ、「今日の日はさようなら」よりはあざとくなく、むしろ完全に力技でシンクロしてしまっているので、ムチャクチャなカタルシスを演出している。
でも、やっぱり、閣下に歌わせてないほうがよかったと思うけど。
なんか、「今日の日はさようなら」もそうなんだけど、ただでさえわかりやすすぎる日本語の歌詞のせいで笑ってしまう(w。
英訳して、ちゃんとしたプロの外人に歌わせれば、もっとよくなったと思う。
そして、サード・インパクトを起こそうとする初号機を、槍で串刺しにして食い止めるというメチャメチャおいしいとこを最後にもっていく華麗な登場をしたカヲル君と6号機。
もうね、おまいらかっこよすぎ(w。
で、ここで、次回に続くだからね。
もう、最高の引きですよ。

っていうか、いっそのことここでもう映画辞めちゃってもいいと思う。
こんなにハードルあげて越えられるのか?というのもあるが、それ以上に、やっぱりアンノが旧劇場版みたいに最後に壮大にやらかしてくれそうってのもあるので(w。
MATRIXでたとえると、こいつはリロで、エンタメ的にはシリーズのピークでしたなんてことになりそう。
少なくとも、もうここから先は旧作を知っていても、まったく予想できない展開に突入したからね。
何年後に完結編を観られるのはわからないけど、早く見たい反面、ここが最大のピークならここで止めておきたいという気持ちもあって、正直、複雑だね。
まぁ、でも、期待しないで待って、ダメでもがっかりせず、もし期待以上なら最高に嬉しくなるような心構えで待つとします。

posted by LE ROI TRISTE at 15:59| シアトル ☀| 邪道式映画評論 [Movie Reviews] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする