2010年11月11日

ryuichi sakamoto 2010 north american tour @ seattle


Playing the Piano

Playing the Piano

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Decca
  • 発売日: 2010/09/28
  • メディア: CD



坂本龍一シアトル公演に行ってきました。
ハロウィンということもあり、アホアホマンの格好で出てきたらどうしようかと思っていたんですが、もちろんそんなことはありませんでした(w。
会場であるThe Moore Theatreは、比較的小さいこともあって、満員。
ちなみにこの会場は、2004年に女子十二楽坊LIVEを行った会場でもあります。
もっとも、あの時は観客の半分以上が中国人、XUtadaの時は観客の半分以上が日本人って感じだったのに対し、今回は8割ぐらい日本人だったような気がします。
ただでさえ狭いシアトルの日本人コミュニティーだというのに、会場はそんな日本人による事実上の集会のような様相(w。
でも、それぐらい混雑しているように感じましたね。
一階席はほぼ空席はなかったはずですし、あの調子では2階席も満員だったんじゃないでしょうか?
ステージの真下に、通常の固定席とは別に、木の椅子を並べていたくらいですから。
おかげで、ただでさえ小さな会場が、ものすごい人口密度に。
肝心のステージは、ツアーのタイトルのとおり、いたってシンプル。
ピアノが2台置かれ、後ろにはスクリーンがあり、今回のコンサートは一人で連弾を行うこと、テクノロジーYAMAHADisklavierを利用することによりそれが可能になったという旨が表示がされていました。

そんな感じで、ほぼ予定通りにLIVEは開始。
照明が落ち、って暗っ!?
これまた、ここ最近じゃ珍しいぐらい真っ暗にするんだなぁ。
冗談抜きで、非常灯ぐらいしか明かりがない状態に。
そんな中、アンビエントなS.E.のみが場内に響く。
そうこうしていくうちに、静かに弦を弾く音が鳴り響いた。
1曲目は、「glacier」。
そう、暗闇の中、すでに教授が登場済みです。
前のほうの席の人しか気づかなかっただろうなぁ。
もちろん、レコーディングされたものではなく、ピアノの前に立ちながら、鍵盤ではなく、弦を直接弾いて音を出しています。
最初、"Playing the Piano"と銘打っておきながら、機械仕掛けの連弾を事前通告したり、いきなりS.E.に合わせて演奏し始めたのに面食らったのですが、あえて王道を最初から外すことによって、ピアノという楽器の引き出しや可能性のようなものを観客に提示したっていう感じがしましたね。



しかし、せっかく本人が登場したというのに、何もリアクションが起きないというのが新鮮。
とにかく、何かにつけて拍手したり、騒いだり、リアクションを起こすのが日常的なアメリカで、これほどまでに静かな"真打登場"があるのか?と。
それがすごいおもしろかったですね。
今回のコンサート全体にもいえる事なんですが、なんていうか変に張り詰めた空気感みたいなのが漂っていて、声を出したり、拍手をしたりするようなことが出来ない雰囲気だったんですよね。
ピアノ1台なせいか、みんな食い入るように集中していたというか。
とにかく、1ヶ月前に同じシアトルで行われたXLIVEとはえらい違いでしたね(w。
あっちはもう2時間騒ぎっぱなしでしたから。

2曲目に「improvisation」がきて、3曲目は「hibari」。
実は教授のCDは「1996」しか持っていないので、今回のLIVEではほとんどの曲が初めて聴く曲ばかりだったのですが、その中でもこの曲が一番印象に残りましたね。
なんか面白いんですよ、教授的カノンというか、ミニマルというか、とにかく生楽器なんだけどテクノ的アンビエントっぽさもあって、それでいて生楽器ならではの癒しが多分に含まれているという。
教授ならではの生楽器と、YMOならではのバックグラウンドを生かしたテクノロジーとの融合を見せてくれたって感じですね



ただね、この後も順調にLIVEは進んでいくんですが、場内が必要最低限の明かりしかなく、響く音もピアノのみ、演奏し終わっても教授がこっちを向かないせいか拍手も一切起きないので、どんなり張り詰めた雰囲気があったとしても、どうしても"生活音"が目立ってしまうんですよ。
っていうか、ぶっちゃけ、前半から中盤にかけて寝てた奴は正直に手を挙げろ、お兄さん怒らないから(w。
いや、まぁ、さすがにイビキまでは聞こえなかったけど、冬場ということもあって、鼻をすする音は嫌でも聞こえてくるし、遅れてきた観客が来る度に開くドアから聞こえてくる音や入ってくる光、そして人が歩く音が異常に目立つし、さらには曲が進むにつれだんだんダレてきたのか、途中で退席して場外へ出る人も(トイレ?)
なんていうか、空気そのものは変に張り詰めているんだけど、正直、演奏を聴くことに集中出来なかったですね。
っていうか、拍手が起きなかったのも、クラシック系だからうんぬんとか関係なく、単純にボーッとしてて、いつ曲が終わったかすら気づいてないからってのが理由のような(w?
まぁ、無理もない、想定の範囲内だ(え?)。
こっちも「1996」を買った当時、小学生だったのだが、車の中でかけていたら、頼むから運転中にかけるなと母から怒られたぐらいだし(w。
そんな経験があったから、こっちも事前に昼寝をしてから会場に向かったぐらいだ(嘘。
今回も、例によって教授ならではの静かな曲ばかりが続いたので、さぞかし素人には睡魔と雑音との戦いだったことだろう(w。
せめて、鍵盤が見える位置ならば、よりピアノの音に集中できたり、たとえ睡魔に襲われたとしても、指の動きを追うだけでもかなりマシになったかもしれない。
っていうかね、正直、現地まで行っておいてなんだけど、贅沢を言っていいなら、スタジオで、それこそガラス1枚隔てた防音室で観たかった
とにかく、周りの雑音とか人の動きが気になってしまって、集中できなかったですね。
まぁ、教授に言わせれば、そういった雑音とかも含めてLIVEであり、音楽なのでしょうけど。



結局、LIVEが始まってから30分か1時間ぐらい教授がこちらを振り向かなかったこともあり、その間一切拍手が起きないというアメリカとは思えない異常なコンサートに。
ここまでくると、さすがに教授もやばいと思ったのか、てこ入れに拍手を促したかのように思える(w。
後、有名な曲、それこそ「The Last Emperor」関連とか、「energy flow」とかがなかったからというのもある新アルバムのツアーなんだから、無理もないが)
そんな感じで「the sheltering sky」を演奏し終えたとこで、本編は終了。
当然、アンコールになるわけだが、拍手だけで特にアンコールを叫ぶということはなし。
うん、やっぱり、今まで見てきたLIVEとはえらい違いだ(w。



だが、アンコールの為に出てきた教授が奏でたイントロで、初めて場内が沸いた
そう、。
うぉおおおおおおおお、ここで神曲「merry christmas mr.lawrence」がキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!
って、そこはおまいら騒がないで、イントロからじっくり聴かせてくれよ(w。
まぁ、でも、それぐらい、みんなたまってたって感じ。
いやぁ、生でこの曲が聴けて、本当に嬉しかった。
これだけでチケット代約$30の元は取れたって感じ(w。



その次は「behind the mask」で、ここでも客席が沸く。
YMOの曲だけあって、今まで以上にDisklavierが大活躍。
っていうか、すごいな、教授、まるで人間シーケンサーみたいだ(w。
こんな感じでヒット曲だったり、比較的明るい曲が多かったこともあり、このアンコールは大分盛り上がりましたね。

そして、「composition 0919」を演奏し終えたところで、下がっていったので、これでLIVEは終了だと思ったのですが、もう1度出てきてくれましたね。
もっとも、その間に帰っちゃったアメリカ人がいたけど(w。
そんな2度目のアンコールで演奏したのが「aqua」。
最初、これ、教授の曲ではないと思っていました。
教授にしては、非常にポップというか、わかりやすすぎるぐらいのバラードだったので。
既存のバラードを、教授なりにアレンジしたのかと思いました。
最後はしっとりと綺麗に締めてくれました。

これにてLIVEは終了、ってちょっと待て。
おっさん、一言ぐらいなんかしゃべれYO(w!
冗談抜きで、MCが1回もなかったんですけど!?
わざわざ日本から来てくれたことはありがたいんだけど、それでも、実際にお金を払って会場に足を運んだ身としては、なんかCDではないLIVEならではのモノを観たかったっていうのはあるんですけど(;´∀`)。
ついでに言うと、何がショックだったって、家に帰ったら、なんとこのLIVE、UStreamで無料で生放送されてたってことを知らされたこと。
実は、今回のツアー、途中からちょっとしたことがきっかけで、シアトル以降の公演はすべて大々的にUStreamで生配信されたんですよ
で、最終日のLAの奴だけ見たんですけど、ネット配信でありながら、想像以上に音質もよく、この配信用に調整されていたのか雑音もなくシアトルの時点でPA用のものをダイレクトで繋いでるからなぁ、さらに映像は演奏中の教授の表情や手元のアップばかりという太っ腹ぶり。
いや、もちろん実際に現地で五感で感じられる音と、UStreamの音とでは、超えられない壁が存在しているんだけど、それでも、自分が望んでいたものがほとんど実現されていて、しかも無料で配信されていたっていうのが思ってた以上にショックでしたね。
しかも、それぞれの会場での演奏を、商品化してiTunesで発売するというおもしろい企画もやってました
で、これがまた、海外からは買えないという非常に残念な仕様でして。
せっかく教授から「この劇場、今回のツアーで今のところ一番音がいい。」というお褒めの言葉をもらえたのに、他のシアトル住民と共有出来ないのが残念。
ただでさえ同じ会場でやってた女子十二楽坊のチケットが$24よりも割高だったのに、日本の無料組が思ってた以上に恩恵を受けているところを見ると、ちょっと悔しいですね(w。
いや、UStreamの配信事態は、すごいおもしろかったんですよ。
音質、画質ともにネット上の生放送とは思えないぐらいよかったですし、なによりアクセス数が1万人を突破するなど、ネットならではの一体感があり、今後の新しいビジネスの形を予感させる内容になっていましたので、非常に貴重な体験をさせていただきました。
ただ、出来たら、もう少し現地の有料組との差別化を図っていただいて、不公平感を無くしてほしかったですね。
無料組は2階席最後尾、それが駄目なら今回みたいにPA席からの映像および音声固定のみとかにして。

まぁ、とにかく、要するに、これって、文句があるならCD買えってことなんでしょうね(w。
というわけで、早速注文して、現在配送中です。
アメリカ版だと、2枚組みになっていて、スタジオ収録版がついてくみたいなので、その辺はお得です。
BTTB」も「裏BTTB」の収録曲もついてくるみたいだし。
というわけで、教授、今回の北米ツアー、お疲れ様でした。
またのお越しをお待ちしております。

posted by LE ROI TRISTE at 20:57| シアトル ☀| 邪道式音楽評論 [Music Reviews] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする