2013年07月13日

"Pacific Rim"

パシフィック・リム ブルーレイ&DVDセット (3枚組)(初回限定生産) [Blu-ray] -
パシフィック・リム ブルーレイ&DVDセット (3枚組)(初回限定生産) [Blu-ray] -

萌!健太!!ビデオ!!!(謎)


というわけで(どうういうわけだ?)、皆さん、お久しぶりです(w。
特殊な業種に就職して以来、体力的にきつくなってしまったこともあり、ここ2年間ぐらいTwitterだけになってしまいました。
最後にBlogを書いたのが一昨年の9月というこの投げっぷり。
こんな投げっぱなしの間にコメント等をくれた方々には、ろくに返事をすることも出来ず大変申し訳なく思っています。
でも、そんな特殊な仕事も退職し、少しづつ体力も戻ってきたこともあり、これからは少しづつBlogも再開できたらいいなと思っています。
ちなみにどんな仕事をしていたのかも、そのうちまとめてここで書くことになると思います。

さて、では何故このタイミングでBlogを再開したか?
それはな、どうしても書きたい映画に出遭っちまったからだよッッ(板垣恵介風に)
というわけで、今回紹介するのはパシフィック・リムだ。
すでに日本では本格的に宣伝も始まり、菊地凛子芦田愛菜ちゃんの出演、豪華な吹き替え陣、何より人間が乗り込んで操縦する巨大ロボVS怪獣という日本アニメ及び特撮の伝統的素材が初めてハリウッドで本格的に実写映像化された作品ということで一部のヲタ連中が大注目している映画だ。
惜しむらくは、こんなに日本向けの映画でありながら、何故日本では1ヶ月も遅れて公開されなきゃならんのか!?ってことだ。
本当に勿体無い。
あえて言おう、カス(な配給戦略)であると!
なぜならこいつは自称ゴジラヲタ兼エヴァヲタのLE ROI TRISTにとって、まさに脳汁溢れまくりな映画だったからだ!
というわけで、今週の木曜日の夜に封切りされたこの映画を、早速金曜日の朝一にIMAX 3Dで突撃してきた自分が、楽しみにしている日本の皆さんの為にどんな映画だったかを伝えたいと思います。
ネタバレを回避する気はないので、ご了承ください。
っていうか別にネタバレが重要な映画じゃないので、ご安心を(w。

とりあえず、この映画を一言でまとめてみよう。
ズバリ、これは、海外の日本ヲタ(要するにアニメや特撮、さらにカンフー等も混ざる)が自分の好きなモノを、ただひたすらに巨額な予算を投じてブチ込んだ究極の趣味映画であり、バカ映画でもある(w!
金持ちの道楽映画という点ではピーター・ジャクソンの「キング・コング」やジェームス・キャメロンの「アバター」あたりと同じ立ち位置の映画と受け取ってもらって構わない。
ただ、この映画の素晴らしいところは、趣味全開でありながらも「アバター」みたいに中途半端にインテリを気取ったりすることなく、それでいてヲタ映画独特のキモさも感じさせることなく、イイ意味で誰でも気軽にお腹いっぱいになれる軽さに仕上がっている点だ。
ヲタ趣味の基本をてんこ盛りしながら細部にヲタだからこそ出来る新鮮な発想を加えつつ、それでいてハリウッド王道のジェット・コースター的な展開をしっかり抑えている。
その点では、キモさを全面にゴリ押しし、終にはそれを芸術の域にまで高めた「キング・コング」とは路線が違う。
むしろノリとしては「トランスフォーマー」に近い、というかほぼ同じだ(w。
ただ、「トランスフォーマー」がバカ映画界の極上ステーキだとしたら、「パシフィック・リム」はバカ映画界の究極のフル・コースだ!

「トランスフォーマー」はロボ変形というヲタ趣味を初めて実写レベルで究極の芸術の域に高め、少年とロボの交流という人間ドラマの基本は抑えつつ、それ以外は基本的にバカ全開の勢いで突き進んだ映画だったので、全体的なヲタ趣味は控えめだった。
だが、「パシフィック・リム」は、おバカな展開こそ「トランスフォーマー」には劣るが、ロボ変形以外のヲタ趣味もてんこ盛り、更にほぼ市街戦のみだった「トランスフォーマー」以上のスケールでロボと怪獣が楽しめるのだから満腹感がハンパじゃない(w!
橋、海上、雪原、市街地、空中、大気圏、海底など、まさに「ヘルシング」の少佐の演説状態のてんこ盛り。
これだけでも何も知らないお子様は、文句なしで楽しめるだろう。

だが、「パシフィック・リム」を語る上で外せないのは、やはりわかる奴だけがわかるヲタ趣味だろう(w。
ルーツを知っていると2828できる昔懐かしい王道から最新のネタまで何でもござれだ!
そういう意味では、やはり大きなお友だち向けの映画だ(w。
誰かが言ってたけど、ほんと大人が子供に戻って楽しめる映画だと思う。
そもそもアメリカの映画なのに劇中で出てくる怪獣の呼称が普通に"KAIJU"って時点で、日本への愛という名のヲタ趣味をタランティーノ並に隠すつもりがまったくない(w。
とりあえず、人間が搭乗して巨大な敵と対決するロボという日本の特撮やアニメの伝統中の伝統を抑えながらも、操縦者2名以上じゃないと操作できないという設定は、最新の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」で描かれたダブル・エントリー・システムと互換性があるし、男女2名で巨大ヒーローに変身もしくは操るという点なら「ウルトラマンA」を思い出す特撮ヲタもいるだろう。
パイロットの脳波でシンクロさせて操縦する設定なんて完全にエヴァ路線である。
それでいてロボのデザイン自体は、どことなく鉄人28号やマジンガーZな感じのレトロな系統なのが"燃え"だ(w。
親玉が居て、そいつらが怪獣を送り込んでくるっていう構図も伝統的な戦隊モノだしね。
パイロットが頭部に乗り込んで他のボディと合体してから発進ってのもそう。
で、突如現れた怪獣に追い詰められ、巨大な壁を建設するところなんかは「進撃の巨人」を思い起こさせる。
ロボの名称が偶然にも「進撃の巨人」の主人公の名前と同じイェーガーだし(w。
「トランスフォーマー」と違って、ただの軍事基地じゃなく、ちゃんとそれ専用の基地から発進するあたりも基本に忠実だ。

さらにヒロインが日本人で、中の人がちゃんと日本人役者ってのも、確実にヲタ趣味ならではのこだわりどころだ(w。
いつものハリウッドなら、普通に英語の出来る似たようなチャイニーズやコリアンを使うだろうに。
そんなヒロインの髪型に「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の草薙素子イズムを感じたのは自分だけだろうか(w?
最初は科学者あたりかと思っていたら、普通にパイロットだったのでびっくり。
この役に菊地凛子が採用されたのは偶然だと思うが、彼女が押井 守作品に2作(「スカイクロラ」と「アサルトガールズ」)に出演していることを知ってると、不思議な縁を感じずにはいられない(w。
劇中では訓練シーンもあり、主人公とカンフーっぽい棒術対決してフラグを建てるというシーンまである。
てか、基地の場所も香港だし、「マトリックス」の時も思ったけど、どんだけカンフー好きやねん、アメリカ人(w?
この辺も基本中の基本のヲタ趣味である。
で、そんな武闘派なヒロインがデレて鍵穴から主人公を覗いたり、間違えて主人公の部屋に帰ろうとしたりと、これまた王道なツンデレ"萌え"を見せてくれます(w。
ああ、もう凛子、かわいいよ、凛子(*´Д`)ハァハァ。

しかも、このヒロインが過去にKAIJUのせいで家族を亡くしたトラウマ持ちで、その過去で菊地凛子のょぅι゛ょ時代を演じるのがハリウッド初進出の芦田プロっていうのも最高だ!
日本が誇る天才子役である愛菜ちゃんの泣き演技をハリウッドのIMAX 3Dとサラウンド音声で堪能できるという、ある意味エヴァ新劇場版で緒方恵美の大絶叫を高クオリティで楽しめた時を思い出させる究極にゲスなヲタ趣味時間に使えました(w。
まぁ、冗談はさておき、お金に余裕がある方は遊園地のつもりでIMAXで3Dで観たほうがいいですよ。
あ、ちなみに、残念ながらKAIJUを倒すためにライバル的な怪獣を愛菜ちゃんが育てて、融合するみたいな「ガメラ3 邪神覚醒」的な展開はありませんでした(w。
ゴジラへのリスペクトは感じられたけど、ガメラへのリスペクトはギャオスやレギオンっぽい顔したKAIJUぐらいからしか感じなかったな。
もちろん、KAIJUに精気吸われてミイラ化する仲間由紀恵的展開もありませんでした(w。
他にも嫌味なライバルがいたり、唯一残された旧式の機体が皆のピンチを救ったり、歴戦の大将が最終決戦は自ら出陣だったり、味方の為に敵を巻き込んで自爆だったり、これでもかと言うぐらい王道的な"燃え"要素が満載!
もうね、この映画の何が素晴らしいって、ハリウッド映画で初めて"燃え""萌え"両立させた作品じゃないか?って思えるとこだと思う。
もっとも、これだけ日本への愛という名のヲタ趣味に溢れてる作品でありながら、劇中に出てくる日本語が真面目なシーンでもところどころ可笑しくて、所詮ハリウッド映画って思っちゃう(w。
誰かちゃんと日本語チェックする奴を雇ってないのかよ!?
菊地凛子ですら日本語の台詞の時は演技指導か設定なのかカタコトだし(w。

でも、斬新だったり、あんまり観たことない設定もあって、2828だけじゃなく関心させられた点もあった。
例えば、死んだKAIJUの臓器を密売して設ける商人が出てくるところとかは、似たような設定だと「ゴジラVSビオランテ」ぐらいでしか見られなかった展開だしね。
まぁ、そいつらが香港を拠点にしてて、ほとんどチャイニーズってのが笑いどころなんだけど(w。
後、脳波でシンクロさせて操縦するを更に発展させて、KAIJUの脳に侵入して敵の情報を探るとかは中々斬新な展開。
エヴァで使徒から精神攻撃されたことはあっても、こっちから精神干渉して情報を探るなんて、それこそ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」以来じゃない?
しかも、その情報を探る脳に巨大生物によくある第2の脳の存在を持ち出してきて含めるっていう設定は、「ゴジラVSメカゴジラ」ぐらいでしかお目にかかったことがない。
怪獣にダニみたいな寄生虫がついてる設定は「ゴジラ(1984) 」や「クローバーフィールド」でもあったけど。
後、怪獣が卵じゃなくて胎生で妊娠ってのも中々見ないね。
チビ怪獣が出てきて人間を襲う展開は、ハリウッド版ゴジラや「クローバーフィールド」でも出てきたハリウッドの定番的展開だが(w。

まぁ、あんまり褒めてばっかなのもアレなんで、不満点も言わせてもらうと、ヲタ趣味の基本や上記のマニアックな設定はてんこ盛りだけど、逆に細部への狂気的なこだわりは少ない
まぁ、だからこそ薄味で万人でも食いきれるフル・コースなんだけど、その代わり1回食ったらもういいかな?ってなっちゃう。
例えば「トランスフォーマー」なんかは、あの狂気的な変形シーケンスの為にBD買って何度も観たいって思えるんだけど、「パシフィック・リム」は映画館で1回楽しめたらそれでお腹いっぱいなんだよね。
ジェット・コースターとしては優秀なんだけど、手元に置いておきたくなるようなヲタならではのコレクター魂をくすぐらない
これに関しては平成ガメラ3部作の特技監督である樋口真嗣さんの以下の愚痴が非常にわかりやすいので、是非、紹介したい(w。






わかる、わかるぜ!
そうなんですよ、こういうそんなのヲタしかこだわらねーよ!ってとこへのこだわりが足りないからコレクター魂がくすぐられないんですよ。
いわゆる造形美や様式美ってやつですね。
例えば、この映画の中じゃKAIJUって呼ばれてるけど、ゴジラヲタとして言わせてもらうと、あいつらはエイリアンやクリーチャーであって怪獣じゃないんですよ。
我々が怪獣に求めてるのは、ああいうキモさやグロさじゃなくて、神々しさなんですよ!
わかりやすく言うなら、あのデザインじゃ子供に玩具として売れないだろってこと(w。
まぁ、これはロボ好きも今回のロボに対して同じことを求めているかもしれないけど、特にゴジラヲタとしては仮にもKAIJUを名乗るなら、そこはこだわって欲しかったんですよ。
キング・ギドラやビオランテの造形美で育った身としては、あんな奴らを怪獣とは認めんぞ(w!
大体な、ハリウッドの怪獣って鳴き声が全部一緒に聞こえてダメなんだよ。
なんで東宝怪獣やウルトラ兄弟が、ここまで時代を超えて愛されているかわかるか?
それはな造形美だけじゃなく、声でも個性をつけて唯一無二の神々しさを作り上げているからだ。
この映画はロボがメインだからとか、「クローバーフィールド」みたいなホラー路線だからとかいう言い訳は認めないぞ。
ロボがメインでもエヴァの使徒の造形美の神々しさは、見事なまでに作品の格を上げているではないか?

後ね、主人公たちのロボの最初の起動実験で失敗するところまではいい。
むしろ、あれをちゃんとやるあたり、真面目にロボを描こうとしてるのがわかるよ。
でもな、尺の都合かもしれんけど、肝心の起動初成功シーンをすっ飛ばしていきなり実戦描くとはどういうことだ!?
トラウマや困難を乗り越えて、ついに機体をモノにするというこれ以上ない"燃え"がまったく描かれないまま、いきなり仲間のピンチに最初の起動実験で失敗した機体で駆けつけるんですよ。
おいおい、何のためにエヴァが2話もかけて初めて初号機が動いて敵を殲滅するまでを、丁寧に描いたと思ってるんだ!?
そこにパイロット、周りの開発及び整備スタッフ、そして兵器ロボの最初の一歩という科学ロマンならではの夢があるからだ!
パイロットが道具であるはずのロボと初めて心を通わせるという一番燃えるシーンが抜けてるんですよ、この映画。

最後に、か弱い女の子が過去のトラウマを乗り越え、ロボを乗り回して巨大な敵と戦うという日本的な"萌え"と"燃え"の要素を取り込んだ点は確かに評価できる。
だが、樋口さんの指摘じゃないけど、そこもこだわりが足んねーんだよぉ。
あの指摘に補足するならピンチになった時に、スーツもボロボロになって欲しい
それこそタンクトップ姿ぐらいまでに追い込んで欲しい(訓練ではなく実戦で追い込むのがポイント)
この映画には特殊スーツが破壊されるほどボロボロになった女戦士の"タンクトップ姿"萌えという一部のB級映画マニアを特殊なフェチに目覚めせた「ゼイラム」へのリスペクトがない(w。
いや、あれは森山祐子の巨乳だからこそ成立する"燃え"と"萌え"だろ?という反論もあるだろうが、そもそもタンクトップで化け物と戦う女戦士ってのはサラ・コナー、リプリー、ララ・クロフトなどハリウッドが本場ではないか!?
やっぱ女の子の為に特殊スーツ用意したなら、そこをある程度破壊するのも造形美だったり様式美だよねぇ(w。

というわけで、幼少時を怪獣や戦隊モノを見て育った健全な日本男児諸君なら、脳汁が飛び散ること間違いない映画です!
エロもグロもないので、家族でも楽しめることでしょう。
ただ、上記の通りフェチ要素が足りないので、コレクションするには向かない作品です(w。
純粋に遊園地として楽しみましょう!
ただ、だからこそ興行成績は伸ばさないと行けません。
何故ならこの作品の結果は、今後に予定されているゴジラ再映画化やエヴァ実写化に確実に影響するからです。
その鍵を握っているのは、やはり日本での結果でしょう。
というわけで、皆さん、日本公開の際には是非とも映画館に足をお運びください!


posted by LE ROI TRISTE at 00:00| シアトル ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 邪道式映画評論 [Movie Reviews] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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